MAKING SHOESこだわりと想いを込めた靴づくり

MAKING SHOES こだわりと想いを込めた靴づくりMAKING SHOES こだわりと想いを込めた靴づくり
こだわりと想いを
込めた靴づくり

靴の形を決める木型は、
実は現代の女性に合わせて
変化してきました。
たくさんの研究開発の末、
疲れにくくて美しい、
現代女性のためのパンプスが
誕生しました。
こだわりと想いを込めた靴づくり1

木型は現代の日本人女性の足にあわせる

靴づくりにおいて、靴の形を決める木型はとても重要です。人間が歩行をする際、足にかかる負荷は体重よりも大きいといわれています。そうしたなかで、どうやって足の負荷を減らせるのかを常々考えながら、木型をつくっていかなければなりません。また、私は本場であるイタリアで靴づくりを学び、この道に入って50年以上が経ちますが、日本人の女性の足の形は、ここ30〜40年で大きく変わってきたと思います。畳や正座、下駄から生活様式が変化しましたし、スニーカーを履くことが増えたのも大きな要因だと思います。平均サイズも大きくなっています。ですから、木型も「現代の日本人女性」の足にあわせてつくっていかなければ、履きやすく、歩きやすい靴にはならないのです。ワコールと一緒に手がけた「サクセスウォーク」には、この木型づくりの部分にも、相当なこだわりを持って取り組みました。

こだわりと想いを込めた靴づくり2

S字歩行をサポートできるように

これから、サクセスウォークの木型の特徴をご説明しますが、その前にご自身が歩くときの足の裏の動きを想像してみてください。まず一番はじめにかかとをつきます。そして、足の外側をついて、足の内側で地面を蹴る。人間はこの「S字歩行」と呼ばれる歩き方を行っています。サクセスウォークの木型は「S字歩行」をサポートするために、土踏まずのあたりから、つま先に向けて内側に傾斜をつけています。この、こだわった形状が、これまでの日本のパンプスとは異なります。もっと地面の蹴り出しをスムーズに行えるようにできないか、現代の日本人女性の足の形にあわせながら、疲れにくく痛くなりにくいパンプスをつくれないか、といろいろな分析をして、検証を重ねた結果、今の木型形状ができあがりました。

ヒールによる負担をできるだけ軽減する

サクセスウォークのこだわりは、ヒールにも詰まっています。かかとの真下にヒールがくるように設計していることで、体重をしっかりと受け止めることができ、足にかかる負担が軽減されます。ヒールの位置はmm単位で試行錯誤しました。また、ヒールの底には、「リフト」と呼ばれる、ゴムのような樹脂がつけられており、これはすべり止めやヒールの保護といった役割を持っています。私たちはS字歩行を手助けするために、このリフトに7度の角度をつけました。これによって、地面を内側から外側に向かってより蹴りやすくなっています。右足と左足で蹴りだす方向は違うので、左右で反対の角度をつけています。

こだわりと想いを込めた靴づくり3

これまでにないフィット感を生む中敷き

このようないろいろなこだわりが詰まったサクセスウォークですが、私はワコールと一緒に、ブランド誕生の頃から研究開発に努めてきました。ワコールは、一人ひとりに合う下着をつくっているメーカーです。だからこそパンプスを手がけると決めたときも、人間の足との整合性をできるだけ高めたいという想いを持っていました。しかし、筋肉のつきかた、やわらかさ、骨の硬さなど、足の個性は十人十色です。どんなに木型を調整しても、誰の足にもぴったりあうパンプスは難しいですよ、という話をしました。でもワコールは「世の女性一人ひとりにあったパンプスを提供したい」という想いが本当に強く、ゆずりませんでした。そこで、大学の専門の先生に協力をいただいて、「美楽るパッド®」という中敷きを開発しました。できるだけ足の裏の形に沿うようにつくり、素材に関しても人間の肉質に近い硬さにすることで、足を乗せても違和感のないように仕上げています。

機能性とデザイン性の追求

サクセスウォークの研究開発を進めていくなかで、無理だと思ったことは何度もありました。研究開発は、普段はプロのスポーツ選手が使う靴をつくっているメーカーさんが使う様な施設を使用して行いました。美楽るパッドⓇに関しては、足の裏の形に100%沿わせてしまうと逆に疲れやすくなってしまうため適度な余白が必要なのですが、それをつくるのにたいへん苦労しました。木型に関しても同じくらい苦労しています。美楽るパッドⓇや木型を数㎜単位で調整して、何度も特殊なモニターで歩行のチェックをする。でも、どれだけ機能がよくても、見た目を美しくできなければ意味がない。機能性とデザイン性、どちらもより高い基準にできるように調整を繰り返しました。試作の回数は100回ではききませんでしたが、ワコールが諦めることはありませんでした。だったら私も諦める訳にはいきません。そして、徐々に完成に近づくにつれて、これは本当にすごいパンプスができるぞという感覚が強まっていきました。

こだわりと想いを込めた靴づくり4

さまざまな人が満足のいくパンプスを

私は長年婦人靴をつくってきましたが、もっと歩きやすくて、美しいものはできないかと、頭の中では常に考えていました。さまざまな苦労はありましたが、サクセスウォークの第一号ができあがった時は、本当に満足のいくものができました。私も理想のパンプスを追求することができましたし、ワコールにとっても新しい価値を世の中に提供できる商品になっていると思います。これなら、さまざまなお客様に喜んでいただけるのと思います。実際にサクセスウォークができあがった後、あるお客様から「7cmのヒールなのに5cmくらいに感じました」というお声をいただきました。この感想をいただいたときは、とても嬉しかったです。高いヒールでも楽に歩けているということですから。そして、もっといいものをという想いで、今もさまざまなシーンに向けたサクセスウォークを考案中です。これからもワコールと一緒に、みなさまに新しい価値をお届けしたいと思います。

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