ARTICLES

2014.07.17ケア

虫刺されの痕を残しにくくするポイントは
かかないこと、赤みがひくまで日に当てないこと

夏に気になるお肌の悩みといえば、虫刺され。かゆみを我慢するのも辛いし、かいて傷になってしまうのも悲しいわよね。痕が残ってしまったら、自慢の美脚だって台無しだし......。働く女性のみなさんは、どんな対策を実践してるのかしら? アンケートで集めた声をもとに、皮膚科の先生に虫刺されに関する正しい予防&ケア方法を教えていただいたわよ!




アンケートで、読者のみなさんが夏に行っている虫刺されの予防について聞いてみたところ、「屋内、屋外に虫よけスプレーや蚊取り線香等を使用している」「肌に予防スプレー等を塗布している」と、専用のアイテムを使っている人が多数。また、「長袖やロングパンツを着るようにしている」と、衣類を工夫している人も目立ちました。




2014年6月ワコール調べ n=255名

そこで、予防方法について、よしき皮膚科クリニック銀座の吉木伸子先生に質問。本当は、虫に刺されにくい体質に近づく手段があればベストなのですが--。


「食事や習慣の改善などで、虫に刺されにくい体質にすることはできません。虫よけスプレーなどの商品を使うのがよいでしょう。最近はアロマの虫よけなどもあるようですので、試してみてはいかがでしょうか」


続いて、刺された後のケアについてのアンケートを見てみると、「薬を塗布する」という回答が約7割を占める結果に。




2014年6月ワコール調べ n=255名

また、ここでは「その他」に挙げられた方法も興味深いものでした。「おばあちゃんに教えてもらったのですが、米のとぎ汁を刺された部位に1日数回塗ると早く治ります」「かゆみがひいてからバイオイルを塗ってます」「子どもの頃から、『刺されたところを爪で×印に強く押しなさい』と言われていたので、その通りにしてました」「水や氷で冷やします」「患部から汁が出るまでつまむと、かゆみが落ち着きます」......など、その内容は実に様々! これらの民間療法には効果が期待できるのでしょうか?


「米のとぎ汁については、中にはかゆみが治まる人もいるかもしれませんが、科学的根拠はありません。バイオイルも、最近、傷痕防止によいと言われていますが、科学的根拠があるとまでは言えないでしょう。爪で×印をつけるのは、昔から子どもがよくやっている方法ですが、それでかゆみが治まるのなら引っかくよりはマシ。ただし、薬がない場合は仕方ないという意味であって、×印をつけることを医学的に推奨することはできません。冷やすのはよいですが、あまり冷やしすぎると血行が悪くなって治りが遅くなるので要注意。汁が出るまでつまむのは、肌に傷がつくのでNGです。出てくる汁は、蚊の毒ではなくリンパ液。蚊の毒を押し出すことはできません」



では、刺された後の正しいケア方法は?



「大切なのは、とにかくかかないこと。市販のかゆみ止めを2~3時間おきに塗るのが一番です。かゆみに対する即効性の高い成分が入っている市販薬もありますので、医師や薬剤師に相談してみてください」


そして、虫刺されについてみなさんが悩んでいたのが、痕が残ってしまうこと。「虫刺され痕が気になりますか?」という問いには、合計約9割もの人が「とても気になる」「やや気になる」と答えていました。




2014年6月ワコール調べ n=255名

さらに、「年齢を重ねるごとに痕が消えにくくなってきました」という意見も続出。虫刺され痕への対策としては、「ビタミンを多く摂るようにしてます」「美白化粧品を塗ります」「保湿に気をつけてます」などの方法が挙げられました。痕を残しにくくするための美容法も教えてください!


「確かに、加齢によって皮膚の回復力は落ちてしまいます。みなさんの対策のうち、ビタミン摂取は気休めに近いかもしれません。口から摂ったビタミンは、皮膚の中で高濃度にはならないからです。美白化粧品は悪くはないですが、それより紫外線対策の方が重要。保湿は直接関係ないでしょう。かかないこと、赤みがひくまで日に当てないことをきちんと守れば、痕にはなりにくいですよ。もし色素沈着してしまったら、美白ケアをするより、ピーリング化粧品でピーリングするほうが効果的です」




医学的な予防&ケア方法、とっても勉強になったわね! この夏は今回学んだ対策を実践して、虫刺されの傷や痕などのトラブルの少ない美脚をキープしましょ♪




取材協力/よしき皮膚科クリニック銀座院長 吉木伸子先生
横浜市立大学医学部卒業、慶応義塾大学病院皮膚科学教室に入局。漢方診療所での研修等を経て、現在は、よしき皮膚科クリニック銀座院長。著書に「正しいスキンケア事典」(高橋書店)などがある。
http://yoshiki-hifuka.com/


TOPへ戻る