ARTICLES

2014.03.20学ぶ

ミニスカートの流行で女性たちが太ももを露出。
足元はハイソックスやフラットシューズで快活に!

約200年間の時代の変化と足にまつわるファッションの歴史をひもといてきた連載が、ついに完結! 最終回となる第六回は、20世紀後期のヨーロッパの様子をご紹介します。


第二次世界大戦が終わり平和な暮らしが戻ってきた1960年代に、女性たちの間で旋風を巻き起こしたのが、フレッシュな印象のミニスカートパンツ。その背景には、戦後ベビーブームがあったのではないかと考えられます。当時は、ベビーブームの時期に生まれた世代がティーンエージャーになり、若者の人口が多かった時代。この層をターゲットにファッションの研究やメーカーの開発が進んだ結果、"マダムのための洋服"ではなく"女の子のための洋服"が作られるようになったのでしょう。


これ以前にもミニスカートやパンツは存在していましたが、あくまでもリゾート地やスポーツ時など、特殊なシチュエーションで着用するためのもの。街で普段着として取り入れるボトムとしては、かなり画期的だったと言えます。特に、ミニスカートの登場により女性たちが太ももを見せるようになったのは、歴史上初めてのことでした。そこで足元に合わせられたのは、ナチュラルストッキングやハイヒールといった女性らしくセクシーなアイテムではなく、ハイソックスやタイツやフラットシューズといった可愛らしく子供っぽいアイテム。肌の露出への抵抗感を緩和させるために、"色気"を封印して"元気"を強調するというワンクッションが必要だったんですね。



ピエール・カルダン 1968年春夏


1970年頃になると、学生運動が白熱。若者による、大人が作った既成概念への反発が激化します。そんな動きの中で流行したのが、ヒッピースタイル、ジーンズ、男性の長髪、といった、かつての常識を覆す斬新なファッション。イッセイ・ミヤケなど、日本人ブランドの作品も高く評価されるように。この頃から、服装のカジュアル化が一気に進行。プレタポルテがオートクチュールに取って代わり、主流になっていきました。一般の女性たちが、気軽に洋服を買っておしゃれを楽しめる時代が到来したのです!


たくさんの洋服やレッグアイテムの中から、好きなものを選んで好きなように身に着けることができる現在。そこに至るまでには、実に長く複雑な経緯があったんですね。時にはこの歴史に思いを馳せて、自由におしゃれができる喜びを謳歌してみませんか?


*リンク先は公益財団法人京都服飾文化研究財団(KCI)のウェブサイトです。
株式会社ワコールはKCIの活動を支援しています。




「Future Beauty 日本ファッション:不連続の連続」開催中
会期:2014年3月21日-5月11日
会場:京都国立近代美術館
主催:京都国立近代美術館
京都服飾文化研究財団
http://www.kci.or.jp/exhibitions/fb/index.html



TOPへ戻る