ARTICLES

2014.03.03ファッション

昔も今も愛される足袋の素晴らしさとは?伝統、デザイン、機能と三拍子揃った日本独自の文化アイテム!

そろそろ卒業式や入学式のシーズン。普段より、和装への意識が高まっている人も多いのでは? そこで今回は、和のレッグアイテム・足袋に注目。アンケートを実施したところ、足袋や足袋状のソックスを履いたことがある人は、どの年代でも8割近くにのぼっていました。さらにどんな足袋を履いてみたいかを聞いてみると、「普段着に合わせられるもの」との答えが最多という結果に!





また、「薄い江戸小紋柄の足袋が欲しい!」「梅の花の柄の足袋ソックスを履いていたら可愛いと褒められた♪」というような声が上がったことから、白い足袋だけではなく、色々なタイプに関心が寄せられていることも判明。


そこで、世界で唯一の国産地下足袋ブランドを生み出し、足袋下などの小物でも人気を集めている京都の『SOU・SOU』プロデューサー・若林剛之さんを直撃。足袋の魅力や取り入れ方を教えてもらいました。



「足袋の良さは、伝統、デザイン、機能、この3つを兼ね備えているところだと思います。
まず、伝統。足袋は、奈良時代にできたという説もあるくらい、日本で長く使われてきた履きものです。何百年もの間、廃れずに残っていることこそ、人々がいいと感じて選び続けてきた証拠だと言えますよね。
次に、デザイン。足袋が持つ日本独自の完成されたプロポーションは、可愛くて情緒的。現代の女性が履いていると、『古風で上品な人だな』『文化的な習い事をしているのかな』なんて思われそう。そんな風に、身に着ける人の格を上げてくれるようなパワーもある気がします(笑)。
そして、機能。鼻緒を挟めるようにと足先が2つに分かれていることで、踏ん張りが効くという特徴があります。手で鉄棒などを握る時にも親指と他の4本の指の間に挟むことを考えると、イメージしやすいはず。力を入れる時にブレないので、今でも祭など、ここ一番の場面で地下足袋が使われるのでしょう」


若林さんがブランドの看板アイテムである地下足袋を手掛けるようになったのは、海外での経験を通して日本の衣装文化の素晴らしさを再認識したからだそう。


「日本には世界に誇れる衣装文化がある。でも、ある時期からその文化が止まってしまっている。だから、誰もやっていない、その続きを追求することに集中するべきだと思ったんです。扇子や風呂敷を作ったりして試行錯誤していた時、ふと参考のために買っておいた地下足袋に目が行って。それをモダンにデザインして以降、自由に和装を楽しんでいた明治以前と今をつなぎたいという思いが高まりました。僕の理想は、地下足袋をはじめとする伝統的なアイテムが、もっと日本の日常に溶け込むこと。例えばマンガのように、無理に広めようとしなくても時に外圧がかかっても、自然に人々に伝わって文化になっていくものが"本物"だと思うんです。自分が作ったものがその一部になったら、とても幸せですね」



足袋初心者が日常に取り入れる場合にオススメの選び方は?



ポップな足袋下


先丸地下足袋(前)と貼付地下足袋(奥)


「好きなものを好きなように履くのが一番だと思います。どんなアイテムも、取り入れ方を規制し始めた途端、形骸化してしまいますから。足袋や足袋状のソックスは、直感でピンときた色や柄のものを。靴を脱いだ瞬間、周りの視線が集まるはず。女性は、『可愛い!』という言葉を浴びるほど磨かれていきますから、どんどん褒めてもらって欲しいですね(笑)。『SOU・SOU』で作っている地下足袋は、初期は足先が割れていないタイプのほうが試されやすかったんですが、最近は割れているタイプのほうが人気。どちらもスニーカー感覚で、デニムやスカートと合わせて履くことができます。今では、性別、年代、国籍を問わず、幅広い方々が興味を持ってくださるように。今後、これらのアイテムが日常のファッションにおける選択肢の1つになっていけばいいなと思っています」


足袋の魅力を知り、粋な地下足袋や足袋下を目にすれば、足元のイメージチェンジをしたくなること間違いなし! この春、あなたも日本の伝統的なアイテムを気軽に取り入れてみませんか?



店内写真:SOU・SOU 足袋


取材協力:SOU・SOU/服飾デザイナー プロデューサー 若林剛之さん
大手アパレルメーカー勤務を経て渡米。1994年、自身で買い付けした商品を扱うセレクトショップをオープン。1996年、オリジナルブランドを立ち上げる。2002年、『SOU・SOU』発足と同時に参加し、プロデューサーとして活躍中。
http://sousounetshop.jp/



TOPへ戻る