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2013.08.23学ぶ

一般女性の行動範囲が広がった時代。
ついに、丈夫で歩きやすい革靴が普及!

歴史的背景と照らし合わせながら、足にまつわるファッションの変遷を紹介する、この連載。三回目は、19世紀のヨーロッパにご注目!
 19世紀初頭、フランス革命の直後は、一時的にシンプルなエンパイア・シルエットのドレスが流行していました。時間が経って情勢が落ち着いてくると、女性たちは再び革命以前同様、コルセットを身に着けるように。19世紀前期から、またドレスのウエストは細く絞られ、スカートは大きく膨らんでいったのです。
19世紀中期には、ミシンが誕生し、金属加工技術も向上。最先端のノウハウを使って、軽くて着脱しやすいクリノリンという下着が作られました。それによってさらにドレスのボリュームがアップした、クリノリン・ドレスが人気に。
 19世紀後期になると、スカートの膨らみは腰の後ろの辺りだけに集中。バッスルという下着でシルエットを形作った、バッスル・スタイルが主流になりました。
 当時は、ブルーマー夫人らによる女性解放運動が世間に浸透し始めた時期。それに加えて、交通網が整備されて行動範囲が広がったり、技術や素材が普及して一般市民もおしゃれを楽しめるようになったりと、女性を取り巻く環境は大きく変化しました。そこで流行したのが、革靴! 丈夫で歩きやすく、スカートの裾から見えても美しいーーそんな機能性と装飾性を兼ね備えた革靴が、この時代の女性たちの足元を彩ったのです。社会的にもファッション的にも自由や余裕を感じ始めた彼女たちは、自転車に乗ったりスポーツを楽しんだりするように。その結果、20世紀間近には、ブルーマーブラウス+スカートなど、動きやすい装いが定着していきました。

華やかなドレスから軽やかなスタイルへと、大きく移り変わった19世紀のファッション。今、振り返っても、新鮮な驚きがありますよね。きっと当時の女性たちも、現代の女性たちと同じように、次々に話題になる旬のテイストをワクワクしながら取り入れたことでしょう。

*リンク先は公益財団法人京都服飾文化研究財団(KCI)のウェブサイトです。
株式会社ワコールはKCIの活動を支援しています。

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