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2013.07.23学ぶ

革命と共に大きく変化したファッション。
スカートというヴェールに覆われた足元は?

時代の流れに沿って移り変わってきた、足にまつわるファッション。その歴史を紹介する連載・二回目は、19世紀初頭のヨーロッパにスポットライトを当ててみましょう!

当時は、フランス革命の直後。社会の激動と共に、女性のファッションにも大きな変化が現れました。その直前には華美なボリュームドレスが流行していたのに対し、一転してシンプルなエンパイアシルエットが好まれるようになったのです。まるで下着のシュミーズのように簡素な、ハイウエストのロングスカート。必須アイテムだったコルセットやパニエは使われなくなり、代わりにブラジャーの前身であるブラシエールが登場しました。

この背景にあるのは、フランス革命と、ポンペイ遺跡発掘による古代ギリシア・ローマブーム。きっと、女性たちの中には「革命以前とはまったく違うおしゃれを楽しみたい!」「古代ギリシア・ローマの女神像のようなスタイルをしたい!」というような気持ちが芽生えていたのでしょう。このファッションは、ごく短い期間のみ流行した特殊なものと位置づけられます。

流行の素材は、インド製のモスリンという木綿。肌が透けて見えるほど薄いこの生地は、脚を美しく覆うヴェールのような働きもしていたようです。なんとなくシルエットを感じさせる−−これこそが、この時代の足元のおしゃれ。脚そのものを着飾る必要はなかったため、スカートの裾から覗く足首は、しばしば素足! または、刺繍の入った靴下などで少しデコレーション。靴は、やはり古代ギリシア・ローマ風のサンダルや、現代のバレエシューズのようなものなど、フラットでナチュラルな雰囲気のものが人気でした。


シンプルなドレスとフラットシューズで軽やかに


ちなみに、ヨーロッパの冬は寒いため、当時は多くの人が風邪から命を落とすことになったという事実も......。それでも女性たちは、「新しいファッションを取り入れたい!」と薄着で過ごしていたみたい。この時代にも、今と同じように、もしかすると今よりもっと、"おしゃれは我慢"の精神が息づいていたのかもしれませんね。

*リンク先は公益財団法人京都服飾文化研究財団(KCI)のウェブサイトです。
株式会社ワコールはKCIの活動を支援しています。

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