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2013.05.29学ぶ

長く広がったロングスカートが時代の象徴。
見えない足元も、ドレスに合わせておしゃれに!

あらゆるレッグアイテムが手に入り、自由に足元のおしゃれが楽しめる現代。そこに至るまでには、さまざまな時代や流行の変化がありました。この連載では、足にまつわるファッションの歴史を少しずつご紹介します。
第一回は、18世紀・フランス革命以前のヨーロッパへタイムスリップ!

この時代の女性は、長く広がったロングドレスを身につけていました。キリスト経典の解釈によって、「慎み深くあるべき」「脚を見せてはいけない」「男性と同じ服を着てはいけない」とされていたのです。ちなみに、ドレスの下にはスカートを両サイドに広げるパニエとコルセット、さらに下には、コルセットの洗濯が難しいうえ、固くて肌を傷めてしまうので、シュミーズをつけていたようです。

ドレスで隠れるなら、足まわりファッションなんてあり得ない? いいえ、実は女性は、足元のおしゃれもちゃんと楽しんでいたのです! チラリと見える足首にきれいな刺繍が入った靴下を履いたり、ドレスの色や柄にマッチしたを合わせたり。見えにくい部分にも気配りを忘れないおしゃれ心は、現代にも通じるものがありますよね。


ドレスの裾をあげる女性

一方、男性は膝丈のパンツスーツスタイルが主流。絹靴下に包んだ脚でセックスアピールし、より幅広い足元のおしゃれを満喫していました。

ただし、このようなファッションと縁があったのは、ごく一部の特権階級の人々だけ。当時は、布も染料も超高級品。ボリュームのある生地や鮮やかな色彩の衣類は、イコール「富」を意味しました。1780年代になると、服飾は華美になり続け、頭上には船や馬車や果物かごなど奇想天外な造形物(!)が載せられるように......。朝から晩まで働きづめの一般市民との格差がどんどん広がり、それが1789年のフランス革命の引き金の一つともなったのです。

*リンク先は公益財団法人京都服飾文化研究財団(KCI)のウェブサイトです。
株式会社ワコールはKCIの活動を支援しています。

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