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2014.01.21学ぶ

戦後、強くなったのは女性と靴下」
安価で丈夫なナイロンストッキングが誕生!

時代と共に様々な変化を遂げてきた、足にまつわるファッションの歴史を紹介するこの連載。五回目は、20世紀中期のヨーロッパに注目したいと思います。

膝丈スカートが主流となり、西欧のファッション史上、初めて女性の脚が見えるようになったのが、20世紀前期。1930年代に入ってもこの傾向は続いたため、ナチュラルストッキングやハイヒールパンプスが、足もとのおしゃれの必須アイテムでした。

そんな中、1939年~1945年に第二次世界大戦が勃発。この非常事態は、人々の日常にも大きな影響を及ぼすことに。物資が不足し、質素倹約が求められた結果、洋服はシンプル化。女性たちも、軍服を思わせるようなテイラード・スーツを身につけるようになったのです。これにコーディネートされたのは、華やかな帽子や靴。また、ふくらはぎの後ろには眉墨でバックシームのような線を描き、素足なのにも関わらずストッキングを履いているかのように見せていたというエピソードも。制約が多い環境にあっても、小物を取り入れたり工夫を凝らしたりして少しでもキレイでいようとしていたところに、当時の女性たちのおしゃれ魂を感じますよね。

 長い戦争が終わると、クリスチャン・ディオールが、窮乏期において定着していた簡素なスタイルを覆す作品を発表してセンセーションを巻き起こします。細く絞ったウエストやたっぷり広がったスカートが特徴の優雅で懐古的なシルエットは、平和のシンボルとなり、1950年代のファッションの方向性を決定づけました。戦争で苦労を味わった女性たちにとって、こういった美しいデザインは、きっと夢を感じ希望を取り戻させてくれるような存在だったことでしょう。
 その優雅なファッションに不可欠だったのが、ストッキング。1940年に、アメリカで絹ストッキングより安価で丈夫なナイロンストッキングが発売。戦後には日本にも上陸しました。「戦後、強くなったのは女性と靴下」という言葉を聞いたことのある人も多いはず! その後も改良を繰り返し、当時から現代までの女性たちの必需品になったのです。


*リンク先は公益財団法人京都服飾文化研究財団(KCI)のウェブサイトです。
株式会社ワコールはKCIの活動を支援しています。